○七ケ宿町文化財保護条例
平成5年3月25日
条例第8号
七ケ宿町文化財保護条例(昭和49年七ケ宿町条例第22号)の全部を改正する。
目次
第1章 総則(第1条~第3条)
第2章 有形文化財(第4条~第15条)
第3章 無形文化財(第16条~第21条)
第4章 有形民俗文化財・無形民俗文化財(第22条~第29条)
第5章 史跡名勝天然記念物(第30条~第33条)
第6章 文化財保護委員会(第34条~第39条)
第7章 補則(第40条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、文化財保護法(昭和25年法律第214号。以下「法」という。)第182条第2項の規定に基づき、法及び文化財保護条例(昭和50年宮城県条例第49号。以下「県条例」という。)の規定による指定を受けた文化財以外の文化財で七ケ宿町(以下「町」という。)の区域に存するもののうち、町にとって重要なものについて、その保存及び活用のため必要な措置を講じ、もって町民の文化的向上に資するとともに、地方文化の進歩に貢献することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例で「文化財」とは、次に掲げるものをいう。
(1) 建造物・絵画・彫刻・工芸品・書跡・典籍・古文書その他の有形の文化的所産で町にとって歴史上又は芸術上価値の高いもの(これらのものと一体をなしてその価値を形成している土地その他の物件を含む。)並びに考古資料及びその他の学術上価値の高い歴史資料(以下「有形文化財」という。)
(2) 演劇・音楽・工芸技術その他の無形の文化的所産で、町にとって歴史上又は芸術上価値の高いもの(以下「無形文化財」という。)
(3) 衣食住・生業・信仰・年中行事等に関する風俗習慣、民俗芸能、民俗技術及びこれらに用いられる衣服・器具・家屋その他の物件で、町民の生活の推移の理解のため欠くことのできないもの(以下「民俗文化財」という。)
(4) 貝塚・古墳・城跡・旧宅その他の遺跡で町にとって歴史上又は学術上価値の高いもの、庭園・橋梁・峡谷・山岳その他の名勝の地で、町にとって芸術上又は鑑賞上価値の高いもの並びに動物(生息地・繁殖地及び渡来地を含む。)、植物(自生地を含む。)及び地質鉱物(特異な自然の現象の生じている土地を含む。)で町にとって学術上価値の高いもの(以下「記念物」という。)
(財産権の尊重及び他の公益との調整)
第3条 七ケ宿町教育委員会(以下「教育委員会」という。)は、この条例の執行に当たっては関係者の所有権その他の財産権を尊重するとともに、文化財の保護と他の公益との調整に留意しなければならない。
第2章 有形文化財
(指定)
第4条 教育委員会は、有形文化財のうち、町にとって重要なものを七ケ宿町指定有形文化財(以下「指定有形文化財」という。)に指定することができる。
2 教育委員会は、前項の規定による指定をしようとするときは、あらかじめ指定しようとする有形文化財の所有者及び権原に基づく占有者の同意を得なければならない。ただし、所有者又は権原に基づく占有者が判明しない場合は、この限りでない。
3 教育委員会は、第1項の規定による指定をしようとするときは、あらかじめ七ケ宿町文化財保護委員会の意見を聴かなければならない。
4 第1項の規定による指定は、その旨を告示するとともに、当該指定有形文化財の所有者及び権原に基づく占有者に通知してする。
(解除)
第5条 教育委員会は、指定有形文化財が指定有形文化財としての価値を失った場合その他特殊の事由があるときは、その指定を解除することができる。
3 指定有形文化財について法第27条第1項の規定による重要文化財の指定又は県条例第3条第1項の規定による宮城県指定有形文化財の指定があったときは、当該指定有形文化財の指定は解除されたものとする。
4 教育委員会は、前項の場合には、その旨を告示するとともに、当該指定有形文化財の所有者及び権原に基づく占有者に通知しなければならない。
(所有者等の管理義務及び管理責任者)
第6条 指定有形文化財の所有者は、この条例並びにこれに基づく教育委員会規則及び教育委員会の指示に従い、指定有形文化財を管理しなければならない。
2 指定有形文化財の所有者は、特別の事情があるときは専ら自己に代わり当該指定有形文化財の管理の責に任ずべき者(以下この章において「管理責任者」という。)を選任することができる。
3 指定有形文化財の所有者は、前項の規定により管理責任者を選任したときは、速やかにその旨を教育委員会に届け出なければならない。管理責任者を解任したときも同様とする。
4 管理責任者には、第1項の規定を準用する。
(所有者の変更等)
第7条 指定有形文化財の所有者に変更があったときは、新たに所有者となった者、指定有形文化財の権原に基づく占有者に変更があったときは新たに権原に基づく占有者になった者は、速やかにその旨を教育委員会に届け出なければならない。
2 指定有形文化財の所有者、権原に基づく占有者又は管理責任者(以下この章において「所有者等」という。)は、その氏名若しくは名称又は住所を変更したときは、その旨を速やかに教育委員会に届け出なければならない。
(滅失・き損等)
第8条 指定有形文化財の全部又は一部が滅失し、若しくはき損し、又はこれを亡失し、若しくは盗み取られたときは、所有者等は、速やかにその旨を教育委員会に届け出なければならない。
(所在の変更)
第9条 指定有形文化財の所在の場所を変更しようとするときは、所有者等は、あらかじめその旨を教育委員会に届け出なければならない。
(管理又は修理の補助)
第10条 指定有形文化財の管理又は修理につき多額の経費を要し、所有者等がその負担に堪えない場合その他特別の事情がある場合には、町はその経費の一部に充てさせるため、当該所有者等に対し予算の範囲内で補助金を交付することができる。
2 教育委員会は、前項の補助金を交付する場合には、その目的を達成するために必要な条件を付すことができる。
(管理又は修理に関する勧告)
第11条 教育委員会は、指定有形文化財の所有者等に対し、指定有形文化財の管理又は修理に関し必要な助言又は勧告をすることができる。
(現状変更等の制限)
第12条 指定有形文化財に関しその現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をしようとするときは、教育委員会の許可を受けなければならない。ただし、現状の変更については維持の措置又は非常災害のために必要な応急措置を執る場合、保存に影響を及ぼす行為については影響が軽微である場合は、この限りではない。
(公開)
第14条 教育委員会は、指定有形文化財の所有者に対し、公開の用に供するため当該指定有形文化財の公開を勧告することができる。
2 前項の規定による公開したことに起因して、当該指定有形文化財が滅失し、又はき損したときは、町は所有者に対し、その通常生ずべき損失を補償する。ただし、所有者等の責に帰すべき事由によって滅失し、又はき損した場合はこの限りでない。
(調査)
第15条 教育委員会は、必要があると認めるときは、指定有形文化財の所有者等に対し、当該指定有形文化財の現状又は管理若しくは修理状況につき報告を求めることができる。
第3章 無形文化財
(指定)
第16条 教育委員会は、無形文化財のうち町にとって重要なものを七ケ宿町指定無形文化財(以下「指定無形文化財」という。)に指定することができる。
2 教育委員会は、前項の規定による指定をするに当たっては、当該指定無形文化財の保持者又は保持団体(無形文化財を保持する者が主たる構成員となっている団体で代表者の定めのあるものをいう。以下同じ。)を認定しなければならない。
4 第1項の規定による指定は、その旨を告示するとともに、当該指定無形文化財の保持者又は保持団体として認定しようとするもの(保持団体にあっては、その代表者)に通知してする。
5 教育委員会は、第1項の規定による指定をした後においても、当該指定無形文化財の保持者又は保持団体として認定するに足るものがあると認めるときは、そのものを保持者又は保持団体として追加認定することができる。
(解除)
第17条 教育委員会は、指定無形文化財が指定無形文化財としての価値を失った場合その他特殊の事由があるときは、その指定を解除することができる。
2 保持者が心身の故障のため保持者として適当でなくなったと認められる場合、保持団体がその構成員の異動のため保持団体として適当でなくなったと認められる場合その他特殊の事由があるときは、教育委員会はその認定を解除することができる。
5 指定無形文化財について法第71条第1項の規定による重要無形文化財の指定又は県条例第16条第1項の規定による宮城県指定無形文化財の指定があったときは、当該指定無形文化財の指定は解除されたものとする。
6 教育委員会は、前項の場合にはその旨を告示するとともに、当該指定無形文化財の保持者として認定されていた者又は保持団体として認定されていた団体の代表者に通知しなければならない。
(保持者の氏名変更等)
第18条 保持者が氏名若しくは住所を変更し、又は死亡したとき、その他教育委員会規則の定める事由があるときは、保持者又は相続人は、速やかにその旨を教育委員会に届け出なければならない。保持団体が名称、事務所の所在地若しくは代表者を変更し、構成員に異動を生じ、又は解散したときも、代表者(保持団体が解散した場合にあっては代表者であった者)について、同様とする。
(保存)
第19条 教育委員会は指定無形文化財の保存のため必要があると認めるときは、伝承者の養成その他その保存のため適当な措置を執ることができるものとし、町は保持者又は保持団体その他その保存に当たることを適当と認める者に対し、その保存に要する経費の一部を予算の範囲内で補助することができる。
(公開)
第20条 教育委員会は、指定無形文化財の保持者又は保持団体に対し指定無形文化財の公開を、指定無形文化財の記録の所有者に対しその記録の公開を勧告することができる。
(保存に関する助言又は勧告)
第21条 教育委員会は、指定無形文化財の保持者又は保持団体その他その保存に当たることを適当と認める者に対し、その保存のため必要な助言又は勧告をすることができる。
第4章 有形民俗文化財・無形民俗文化財
(指定)
第22条 教育委員会は、有形の民俗文化財のうち町にとって重要なものを七ケ宿町指定有形民俗文化財(以下「指定有形民俗文化財」という。)に、無形の民俗文化財のうち町にとって重要なものを七ケ宿町指定無形民俗文化財(以下「指定無形民俗文化財」という。)に指定することができる。
4 第1項の規定による指定無形民俗文化財の指定は、その旨を告示してする。
(解除)
第23条 教育委員会は、指定有形民俗文化財又は指定無形民俗文化財が指定有形文化財又は指定無形民俗文化財としての価値を失った場合その他特殊の事由があるときは、その指定を解除することができる。
4 第1項の規定による指定無形民俗文化財の指定の解除は、その旨を告示してする。
5 指定有形民俗文化財又は指定無形民俗文化財について法第78条第1項の規定による重要有形民俗文化財若しくは重要無形民俗文化財の指定又は県条例第22条第1項の規定による宮城県指定有形民俗文化財若しくは宮城県指定無形民俗文化財の指定があったときは、当該指定有形民俗文化財又は指定無形民俗文化財の指定は、解除されたものとする。
7 教育委員会は、第5項の場合の指定無形民俗文化財の指定の解除については、その旨を告示しなければならない。
(指定有形民俗文化財の保護)
第24条 指定有形民俗文化財に関しその現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をしようとする者は、あらかじめその旨を教育委員会に届け出なければならない。
(指定無形民俗文化財の保存)
第26条 教育委員会は、指定無形民俗文化財の保存のため必要があると認めるときは、伝承者の養成その他保存のため適当な措置を執ることができるものとし、町はその保存に当ることを適当と認める者に対し、その保存に要する経費の一部を予算の範囲内で補助することができる。
(指定無形民俗文化財の記録の公開)
第27条 教育委員会は、指定無形民俗文化財の記録の所有者に対し、その記録の公開を勧告することができる。
(指定無形民俗文化財の保存に関する助言又は勧告)
第28条 教育委員会は、指定無形民俗文化財の保存に当たることを適当と認めた者に対し、その保存のため必要な助言又は勧告をすることができる。
(指定無形民俗文化財以外の無形の民俗文化財の記録の作成等)
第29条 教育委員会は、指定無形民俗文化財以外の無形の民俗文化財のうち特に必要のあるものを選択して、自らその記録を作成し、保存し、又は公開することができるものとし、町は、適当な者に対し、当該無形の民俗文化財の公開又はその記録の作成、保存若しくは公開に要する経費の一部を予算の範囲内で補助することができる。
第5章 史跡名勝天然記念物
(指定)
第30条 教育委員会は、記念物のうち町にとって重要なものを七ケ宿町指定史跡、七ケ宿町指定名勝又は七ケ宿町指定天然記念物(以下「指定史跡名勝天然記念物」と総称する。)に指定することができる。
(解除)
第31条 教育委員会は、指定史跡名勝天然記念物が指定史跡名勝天然記念物としての価値を失った場合その他特殊の事由があるときは、その指定を解除することができる。
2 指定史跡名勝天然記念物について法第109条第1項の規定による史跡、名勝若しくは天然記念物の指定があったとき又は県条例第32条第1項の規定による宮城県指定史跡、宮城県指定名勝若しくは宮城県指定天然記念物の指定があったときは、当該指定史跡名勝天然記念物の指定は、解除されたものとする。
第6章 文化財保護委員会
(設置)
第34条 教育委員会に文化財保護委員会(以下「委員会」という。)を置く。
2 委員会は、教育委員会の諮問に応じ、文化財の保存及び活用に関する重要事項について調査審議する。
(組織)
第35条 委員会は、委員3名以内で組織する。
2 委員は、文化財に関し学識経験のある者のうちから、教育委員会が任命する。
(任期)
第36条 委員の任期は、2年とする。ただし、補欠の委員の任期は前任者の残任期間とする。
(会長等)
第37条 委員会に、会長及び副会長を置く。
2 会長及び副会長は、委員の互選によって定める。
(会議)
第38条 委員会は教育長が招集し、会長がその議長となる。
2 委員会の会議は、委員の過半数が出席しなければ開くことができない。
3 委員会の議事は、出席委員の過半数をもって決し、可否同数のときは、会長の決するところによる。
(雑則)
第39条 この章に定めるもののほか、委員会の運営に関し必要な事項は、会長が委員会にはかって定める。
第7章 補則
附則
1 この条例は、平成5年4月1日から施行する。
附則(平成17年条例第14号)
この条例は、公布の日から施行する。